guesthouse開業日記

ゲストハウスに魅了された25歳がゲストハウス開業までを記録するブログです。観光学を学び、世界100以上の地域のゲストハウスに泊まり、現在3店舗のゲストハウスを運営するマネージャーが独立に向け準備をします。

理想郷

今回は理想のゲストハウスについて考えてみる。

 

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最初からこういうことを言うのはこっ恥ずかしいのだが、

ゲストハウスって一世界で一番平和を作り出せる空間だと思う。

 

あるゲストハウスのオーナーと飲んでいる時のことだったか、この話をしたら鼻で笑われたのをよく覚えているが、僕はゆるぎない。

 

 

 

世界を旅して、今でも思いだす国や場所は

実は大絶景でも、美味しい食事でもなくて、意外とその時出会った人だったりする。

 

優しくしてくれた人。クレイジーな人。パーティーピーポーな人とにかく人だった。

そしてその人とどこで会ったかと言うと、多くはゲストハウスだったりする。

 

そうして仲良くなった人とは今でも連絡を取り会ったりしている程である。

つまり何が言いたいかって言うと、世界中に友達がいれば戦争なんてしないでしょっていうお話。

 

話が飛躍しすぎたが、とっても簡単なことだと思う。大切な人、仲良しの友達がいる国とは戦争したいなんて思わないし、何か災害が起きても一番にその人の顔が浮かぶ。

 

だからこそ、その出会いを作れる場がゲストハウスだと思っている。

 

 

 

出会いのゲストハウスとかいうとスっごくサブイけど、

お堅いお国のお仕事をしている方々にはきっとこういう感覚を味わった事少ないんだろうな、、、結局こういう草の根の交流というか、いくらお偉いさんたちが机の上で議論を交わしてもこの感覚が分からないといつまでも利害関係とか、そういう物差しでしか見ることができないんじゃないかと内心本気で思っていたりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ここからがものすごく難しい話なのだが、

 

こういうゲストハウスを造るのは実際問題結構難しい。

お金があって、リタイヤ後に、だったらそれなりに楽しいと思うが、

それのみの収入源で考えるとキツイ。ましてや自分の時間と家族を守ることになったら結構難易度高めだと思う、実際。

 

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自分が運営しているゲストハウスもかつては広い共有スペースがあって、フリーのコーヒーが置いてあって、一泊2500円のドミトリーで、そこで出会った人たちとワイワイと。自由で心地のよい空間だった。

 

しかし現実問題一泊2500円×14人収容のゲストハウスでは結構きつい事が思い知らされた。

 

単純計算

2500円×14=35000円×稼働率70%=24500円/日の計算になる。

つまり月73万5千円

 

そこから家賃11万5千円を引いて、光熱費、リネン、人件費を引くと

手元にはざっくり35万円くらい残る計算になる。

 

さらにはそこから借入を返済し、設備の投資に充てなければならない。

 

結果手元に残るのはほんの僅か。

 

 

 

 

 

一方同じ施設をリノベーションした現在はというと、共有スペースをなくしてすべて個室にし、効率化を図った。

 

 

結果一部屋当たりの単価が9000円に。

9000円×5部屋=45000円×稼働率70%=31500/日

 

月945000円になる計算である。

この時点で以前と比べて20万以上の差が出る。

 

さらには今まで多い時で14人のチェックインをしていたものに対してリフォーム後はわずか5組のみ。

 

手間が減り効率化に成功した。

それに共有スペースがなくなったのでゲスト一人にかける時間も4分の1程度に。

 

会社として効率化と利益を出すには良くできたリノベーションだったと思う。

 

 

 

しかしその一方で

ゲストハウスの醍醐味である、共有スペースでの出会いだったり、安さだったり、

コミュニケーションだったり、そういう物が失われた。

 

 

実際何が良いゲストハウスかって聞かれたら曖昧だし、僕自身今はまだ言葉にするのが難しのだが、局のところ、僕には今のこのタイプのゲストハウスは居心地が良くない。

 

 

 

 

 

さらに言うと、

会社として利益を出すにはきっちり値段設定をしていく必要がある。

俗に言う(RM)レベニューマネジメント。

 

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大手と違って細かいデータを収集してそれを分析する時間もあまりないのだが、

毎日違う価格で、予約状況に応じて価格も変わる。様々なプロモーション、ゴールデンウィークとか、年末年始なんかは通常の3倍近く価格が上がることも当たり前。

 

全く悪い事ではなく、むしろ部屋は翌日にとっておけないので出来るだけその日最大の収益をあげる必要があるので、むしろまっとうな戦術の1つである。

 

とにかくその日最大の利益を出すために心を痛めながらも値段を2倍、3倍に釣り上げるのだ。

 

 

けれど、

バックパッカーの僕にとってはいつもで大きく値段が変わることなく、気軽に泊まれる安い宿がお気に入り。

 

 

だからこそ、ひとくくりにゲストハウスと言っても、

きちんと家族を、時間を守るビジネスとしてのゲストハウスと自分の好きな理想のゲストハウスのギャップを感じてしまう。

 

 

そんなやるせない気持ちがここ数日リフォームをしてから僕の心の中で渦を巻いている。

 

 

 

 

 

 

続く。