guesthouse開業日記

ゲストハウスに魅了された25歳がゲストハウス開業までを記録するブログです。観光学を学び、世界100以上の地域のゲストハウスに泊まり、現在3店舗のゲストハウスを運営するマネージャーが独立に向け準備をします。

井の中の蛙大海を知る。

26歳の誕生日を迎えた今日。

 

同業のゲストハウスオープンイベントに行ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

26歳。井の中の蛙大海を知る。

何というか、見てるものが違った。

 

 

森の中に一つ。10人まで泊まれる一棟。

廃材を上手く使った新しくて、味のある。

 

 

 

 

ゲストハウス同士で張り合うとか、お金儲けのビジネスとか、そういうものではなくて、こだわりとか、オーナーの思いとか、そういうものが詰まった場所だった。

 

 

 

 
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僕が理想とする形が具現化したような。そんな素敵な空間でした。

 

 

この一年間、会社として利を出すことに精を出しビジネスとしての考え方をひたすら求められていた私は、この話を聞いて、ハッとさせられた。

改めてビジネスの考え方は確かに大事だけれども、その先に見える、それを飛び越えていくような事が僕はしたかったのだと。 

 

 

 

 

 

そしてそこで紹介してもらった某有名ゲストハウスのマネージャー。

10年以上ゲストハウス業界で働く本物。

 

 

僅か1年で三店舗任されて、ゲストハウスのことは何でも知っていたつもりだったのですが、会ってすぐに僕はあまちゃんだったことに気が付いた。

 

 

 

例えば、Bookingがどこの会社に投資して力を入れているのか、

それによって何がどうなるのか。

例えば、HostelWorldの総会が今年はハノイで行われること。

例えば、このエリアはまだまだぬるま湯でこれからが本当の生き残りをしなければならないこと。

例えばシェムリアップポルポト政権の話であったり。

 

今までこういう話がしたかったのに、ゲストハウスをしている皆が皆ゲストハウスが好きで好きでたまらない人ばかりではなく、金儲けの為とか、おしゃれだからとか、そういう人ばかりで、

浪人して入った大学でも周りはなんとなく大学に入ったような人たちばかりで

、こういう好きなことで話し合うことができなかった。

 

 

だからこそこうしてそういう話ができたのはとても楽しかったし、

僕はまだまだだなと気が付いた。

 

 

 

 

 

26歳。もう一度、真摯に誠実に。

 

 

 

ペンションとおばあさん。

今日は最近オープンした施設をテコ入れ。

 

予約サイトを開けてから、思った以上に入りが悪く、何とかしなければと色々試してはいるのですが、自分だったらまあ、選ばないかもな、、、と思っちゃっているこの頃です。

 

 

 

もうね、これ思ってる時点でダメなのは百も承知なんですよ。

ただの箱。寝泊まりするだけのハコとなってるんですね。

 

オーナーの温かさとか、手間暇かけた料理とか、そういう物がペンションは大事だと思うのですが、人手がいない、料理も出せない、本当にただ、寝泊まりするだけの箱なんですね。今は。

 

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僕はお客さんに失礼だと思っている。

それでも会社としては少ない人の中でもっと利益を出すようにしなければならず、

何というか、このインバウンドの異常な流れで取り合えず寝れる箱を増やしとけばいいだろてきな感じがこの街全体的ににじみ出てるように僕は感じてしまうんです。

 

そこには愛情が無いと言うか、、、

 

 

 

 

ってのも、今日周辺を散策していたら、近くて蚤の市が行われていたんですね。

そこで可愛いウェルカムのオブジェを購入したのですが、

話をしていたら、どうやら昔この施設に泊まったことがあるそうで、それで、この町が気に入って今では移住してすんでいるんだそう。

 

そのころは、もっと人の温かさとか、手間暇かけた料理とか、そういうものを提供していたようで、なんだか今のインバウンド相手の無機質なものとは全く違うなって、感じてしまったのです。

 

 

 

 

 自分が自信を持ってオススメできない宿を運営するってのは、

やっててとっても心が苦しいし、箱がなけりゃ狭い部屋でも詰め込んでADRを伸ばせという感じもすごくつらい。

 

 

 

 ゲストの望むような施設を作るのは重要かもしれないけれど、やってて自分が面白くなければ続かないと思うし、それだったらこんな小さなゲストハウスではなく、もっとビジネスとしてホテルを営業したらいいと思うわけで、

 

つまるところやっぱり自分の思いとか、そういうものが詰まったゲストハウスでないと自分も、お客さんも楽しめないと思う。

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そんな一日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立て続けに懐かしい人から。

ここ数日立て続けにしばらく疎遠になっていた人からの連絡。

 

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一人は僕の世界で一番好きなゲストハウスのオーナーから。

なんだかんだで3回も合いにカンボジアに出向いているほど好きなゲストハウスで、

開業する前に遊びにおいでよと。

 

一人は世界一好きなゲストハウスで3年前に出会った子から。

たまたま今朝インスタをフォローされて、そこから話が続いて・・・

彼女もチャンスをつかもうと、色々なものを置いて離れた地でゲストハウスの立ち上げをしているそう。

 

そして僕が初めてゲストハウスに就職した時に面倒を見てくれた元マネージャーから。

何事もスマートで、僕に持っていないもの、足りない能力を全て持っていて、とにかく何でもできた人だった。だけど飲むと決まって朝までコースで翌日は二日酔いで仕事をすることもしばしば。

もう今はゲストハウスの仕事ではないのだけれども、突然電話が来て仕事のお手伝いを少しした。そうやって少しでも僕の事を頼ってくれたことは純粋に嬉しかった。

 

 

 

こうやって大事な人から、尊敬する人から、立て続けに連絡が来た。

それも全てゲストハウスの繋がりで。

 

ふと懐かしい人と連絡を取り合っていると、

自然と、自分がその人と出会った時を思いだす。

 

今の自分がその時と比べてどれだけ成長したのか、どこは変わらない思いなのか、

ふと、思いだした。

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今まさに次のステージに進みたいと思っているこのタイミングで

そういう連絡が来ることは僕もまた心強く、嬉しい。

 

そういうゲストハウスでの縁を大切にしたいし、僕もまた、そういう場を提供していきたいと強く思った一日であった。

 

 

 

忘れがたきゲストハウスたち

世界中のゲストハウスを回ってみて、

その中でも居心地がよかったゲストハウスをいくつか挙げてみる。

 

 

 

●まず何といってもカンボジアシェムリアップのゲストハウス。

何が良かったかって言われたら、あまりに快適。周辺のゲストハウスの最安値は当時2~3$であったのに対し、5$と比較的お高め。

じゃあ何でそんなに満足したのか、

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1、Wifi 周辺のWifi環境と比べて圧倒的に早い。

2、「アツアツのシャワー」とにかく温かい。冷たくて水圧が弱いと残念な気持ち。

 

→他と比べて施設が快適だったという所が多少高くても満足につながった。

 

3、「共有スペース」屋外にある屋根付きの共有スペースはとにかく開放的。

加えて開放的なこのスペースでのむビールはとにかく捗る。

(ちなみに料金は原価ギリギリのサービス価格だそう)

 

→特別広くなくても、開放的で皆が仲良くなれる共有スペースは重要。何よりそこでの出会いがそのゲストハウスの満足度を高めてくれる。さらにドリンク、フードを進ませる。

 

4、「オーナーの人柄」

 

→ゲストハウスの顔を決めるのは人柄と言っても過言ではない。

どんなに宿がぼろくても、結局は不安要素おおい異国で、新しい情報や、手助け、それは結局その働いている人の人柄。そういう事が結局は何よりも嬉しく、心に残る。

 

 

●イタリア、ローマのゲストハウス。

何でもないアパートの一室がゲストハウスみたいになっているんだけれども、

結局のところ、ここもオーナーの人柄だったりもする。

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1、「夕飯」

無料でガンガンパスタを振る舞ってくれる。

毎日夕方になると夕飯の支度をかなりいかついおっちゃん(ホモ)が料理をし始める。

いい匂いだなと思ったら宴の始まり。

 

→別に無料である必要はないが、皆でご飯を食べるってのは、一人寂しバックパッカーにとっては嬉しいし、何より心が落ち着く。お酒を飲みながらみんなとワイワイできるのも〇

 

2、「オーナー」

うん、もうね、オーナーに尽きる訳。

とにかく、ホモなんだけど、イタリアの郊外にゲストハウスを建てたいんだって。

静かに熱い夢を語られた日にはそれはもう虜。

 

 

 

オーストリアウィーンのゲストハウス

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1、「デカイ」

おそらく昔は普通のビジネスホテルだったであろうゲストハウス。

普通のビジネスホテルくらいのサイズだが、バンクベットで4人泊まれる仕様。

普通にビジネスホテルだからものすごく綺麗。4人で一部屋シェアして使っているイメージ。とにかく箱がデカイので、バーからビリヤード、ゲームなどいろいろそろっている。

 

 

 

2、「キッチン」

おそらくここも何かの一部屋で使っていたであろう巨大なKitchen。

各種料理器具が整っているので、お金のないバックパッカーには嬉しい。

広々他のゲストを気にすることなく使えるのも〇

 

3、「セキュリティー」

各部屋備え付けでロッカーがあり、なおかつ、ルームキーは前の名残か、カードにキーを記録させて使う電子キー。これは嬉しい。

 

 

 

※ぶっちゃけこれだけ大きいとオーナーとか人柄とかほとんど関係なしに、施設の快適さがとてもよかった。

 

 

 

 

 

まとめ。

大きな要素の一つとして、インフラの整っていない地域ではそれだけで大きな差になる。また人柄という所が強くその宿の印象を決める。

皆でワイワイできる共有スペースや、それを手助けしてくれる夕飯などのイベントが満足度を高めていいく。

理想とか、会社とか利益とか、そういうモヤモヤのお話。

 

今回は理想とか、会社とか利益とか、そういうモヤモヤのお話ってことで、

最近ずっと頭のなかでぐるぐる回っている事をちょっと整理りたいと思う。

 

 

会社として利益を求めていくゲストハウスってのはさ、

ぶっちゃけそのゲストハウスへの思いとか,そんなんどうでもよくて、それなりのコンセプトっぽいもので部屋をリフォームして、場所さえ間違えなければ稼働率85%前後でそれなりの利益が見込める。

 

そうやっていくつも収益の上がりそうな物件をポンポン立てて、

中にはAirbnbで流行りの一棟貸出なんてのもこのエリアではブームになっていて、最終的にゲストが来なかったらその家が売れるように出口まで考えて作る。

 

 

 

こうして会社として無理はせず、きっちりと利益を上げていくのだ。

 

 

 

 

でもさ、こういうのってやっててワクワクしないんだよね。

自分もそうだったけど、旅をしていて、またあそこのゲストハウスに行きたい。泊まりたいって思えた場所って言うのはオーナーのこだわりとか、生き方とか、そういう物が垣間見れる場所だったりする。だから面白いし、楽しい。

 

 顔も肌も目の色も、言葉も考えも地位もそんなもん関係なく皆平等に等しく、

そういう場ってのが僕はゲストハウスだって感じる。

そして偶然その場いた人たちと出会い、その出会いが何かは分からないけれども繋がったり、刺激しあったり、お互いに作用したり、できるそういう場がゲストハウスは面白いわけで、

 

確かに共有スペースをつぶして単に寝るだけの部屋を作れば簡単に10万以上の利益にはなるけども、それは別にゲストハウスである必要はないよね。

だったらカプセルホテルと同じじゃんて。

 

 

結局さ、休みもない、対して利益も出ない、そのくせ固定費、維持費は一人前にかかるんだから、そんなもん自分の思いとか、理想とか、そういう物全部突っ込まなきゃ面白くない。

 

 

 

ただ、むやみやみくもに理想とか夢を突っ込んでも、そこはある程度ビジネスとしての感覚もないと一時は楽しくても存続できない。

 

本当にこのバランス感覚って言うのは難しい。

 

一概に予約サイトの点数だけで判断することはできないが、9点オーバーの僕自身も泊まってみたいと思うような素敵なゲストハウスでも実は利益率が悪く、苦しいゲストハウスもある。やっぱり自分が苦しいのはゲストにも伝わるし、なんといっても居心地がいい空間ではなくなってしまう。

 

 

 

だからこそせっかくリスクを背負ってやるならばもちろん思いとか理想とかすべて突っ込んだうえで、きちんとビジネスとしての感覚も忘れないようにすることが大事。

 

 

 

 

フリアコの闇

よく耳にする言葉。

 

フリーアコモデーション

略してフリアコについて今回は考えてみたい。         

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そもそもフリーアコモデーションとはそのまま、アコモデーション=施設が無料

と言う事である。

 

要は、無料で宿泊していいから代わりに店番よろしくね、お掃除よろしくね。

と労働力を無料でゲットできるワザなのである。

 

 

特にお金のないバックパッカーにとっても長期滞在するにはもってこいのシステムで、半日ほどお手伝いすれば、あとは遊んでも何してもその日の宿代、場所によっては食事代も提供してくれるため、重宝されている。

 

 

一方で経営者側からすれば、実際前回も話した通り、単価の低いゲストハウスで、且つ規模が小さければ純利も雀の涙ほど。人を雇う財源もない為、このフリーアコモデーションは実に使い勝手が良いものになる。

 

ちなみに私自身もフリアコで2か月ほどやっていたこともあったし、実際にフリアコをしたいという方を1ヶ月ほお手伝いしてもらったこともあるので、両方の気持ちは良く分かる。

 

 

 

 

ただし大きな問題もある。以前北海道の大手ゲストハウスでフリアコと称して泊まっていた外国人とそのスタッフが警察に違法労働を言う形で違法とされていたニュースがあった。

宿泊代が報酬と=になるため、就労ビザがなくてはいけないとの見解だそうだ。

 

要は、報酬として、対価としてお金ではなく宿泊施設を提供していたとしてもそれは労働とみなされている訳である。

 

したがって、現実的にこのフリアコ制度を使うのであれば、同国内に住んでいる人しか使えない。もしくは就労ビザのある者しか使えない制度となっている。

 

 

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話は少しずれるが、

外国人と触れ合えます。英語を話せるチャンスです。タダで宿泊施設に泊まれます。

と実際にこのフリアコ制度をやっているゲストハウスも多く見受けられるが、

僕はゲストハウスを安売り?というか、この安易な考え方でやっているところにはとても腹立っている。

 

英語が話せる環境だから、他ではできない体験だから低賃金でも宿代無料でも文句ないだろ的なスタンスが嫌いなのだ。

 

 

ゲストハウスで働いている人って言うのはすごくいろいろな能力が無いとできないことだと思っている。

英語はもちろんスペイン語、ロシア語、中国語。世界各国のゲストが来る施設である訳なので何か国語も操れる語学の達人である必要があるし、

施設だって何か壊れたら自分で直す大工さんで無くてはいけない。

その他経理から経営までをこなす経営者でもあるため、むしろゲストハウスで働く人ってのは凄く超人的な能力のある人間だと思っている。(言い過ぎ)

 

 

冗談はさておき、そのくらいゲストハウスに求められる能力が沢山あるにも関わらず、英語がはなせる環境だよと言って、安く労働力を使うゲストハウスの安直な考えが気に入らない。

 

だからこそ一泊の単価の低いゲストハウスでもきちんとそれに見合った対価を支払えるようなシステムを作っていかなければならないと思っている。

 

 

じゃあそのシステムって何よって言われても完璧な答えはまだ分からない。

けれど、毎日会社として利益を求めるゲストハウスで働いているうちになんとなく感覚的に見えてきた物もある。

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お客さんにはできるだけ安く居心地の良い環境を提供したいという思いと、仲間を守れる利益を出すという矛盾した対立的なゲストハウスのギャップを僕は何とかしていきたい。そういう物を作りたい。

100㎡の壁と理想の大きさ。

実際にゲストハウスをやってみると

もちろんだけどゲストでいた時と運営する側ではまるっと違う。

 

ゲストが朝から出発したいと言えばゲストより早く起き、

ゲストの到着が夜12時だと言えばその時間まで起きていないとならない。

夜中に何かトラブルが起きれば対応しなければいけないし、

1年間365日休みだってない。

 

さらに前々回も話をしたように小さなゲストハウスでは利益もとっても少ない。

前のマネージャーも言っていたけど、割りに合わない仕事だと思う。

 

冷静に考えればどこぞの会社よりブラックだと思う・・・笑

 

そうは言ってもこの辺りは工夫やルール作りで何とでもなるのだが、、、

 

 

 

 

やっぱりゲストハウスってほんとに好きじゃないとできないなと思う。

 

 

 

 

だからこそ僕が大事にしたいのは、

ゲストもスタッフも両方が心地いいものを作る事。

 

単純に一泊の値段を下げてクオリティーを上げればゲストは喜ぶし、評価だって簡単に上がる。(この辺りはまた詳しく書こうと思う)

しかし、そうすると利益は落ち、自分たちを苦しめる。それは結局ゲストにも伝わる。

 

一方で目先の利益だけを求めてラックレートの3倍も値段を釣り上げたら、バックパッカーにとっては居心地がよくないだろうし、自分も申し訳ない気持ちで溢れてくる。

もちろんそれは評価にもつながる。

 

 

じゃあどうしたらいいのってお話。

結局はある程度バルクの大きなハコで適正料金を維持しながらゲストハウスをするのが良いんじゃないかと思っている。

 

よく言われることだが、100㎡未満であれば初期投資も少なく、簡単に始められると言われている。

それは建築確認申請を提出し、用途変更をする必要が無いからである。

 

簡単に言うと、今まで民家だったところを

「じゃあ、明日から宿泊施設に変更します!」

と言っても民家は宿泊施設として適していない場合がほとんどであるため、

キチンとこの建物は宿泊施設として認められますよ!という建築の確認が必要になる。

 

※適していない場合と言うのは、階段の幅だったり、防火扉の設置だったり、下水道、浄化装置、部屋の大きさだったりと諸々。

 

そうした時にいきなりここがダメ、アレがダメと宿泊施設の厳しい建築基準のルールに従うと、とんでもなく改築費用が掛かってしまい、かつ申請も1ヶ月以上かかってしまうため、大変なコストと時間がかかってしまう。

 

 

そこで一つの抜け道として考えられた技がこの100㎡未満のルールなのである。

 

100㎡未満であれば用途変更をする必要が無い為、

この建物は宿泊施設として適していますよと言う建築確認がなくても、

ある程度宿泊施設として運営できる設備があれば営業してもいいですよというルールになる。

 

※ただし、採光や適した浄化槽(もしくは下水道)防火カーテン、火災報知などいくつか超えなければならない壁はあるのだが・・・

 

 

そうすることによって比較的簡単に簡易宿所が始められるのである。

 

 

 

 

これは大きなメリットである反面、理解しておかなければならないのが、

圧倒的に100㎡は小さいのである。

 

実際100㎡未満でゲストハウスを運営しているところの多くが精々4部屋5部屋を作るのがやっとで、中には8人ドミと個室一つというものもあり、

実際問題このサイズでゲストハウスを運営しようとすると、宿泊費のみの売り上げで月100万を超えることが難しいのではと思っている。決まったハコの大きさで一日に決まった人数しか泊めることのできない宿泊施設の特性上。(そこでレベニューマネジメントという考え方が重要になる)

中にはこの100㎡の壁とハコの大きさで苦戦し、申請上は100㎡未満で申請し、実際は申請許可外の部屋を貸し出している所も多く聞く。それほど許可を取るのは大変で、小さいハコだと限界値が小さくなってしまうからだろう。グレーギリギリの怪しい事をしないとやっていけないのがリアルな現実ということなんだろうか・・・。

 

 

つまり小さなハコだとどうしても限界値も低く、利益も少ないので、スタッフが雇えない、自分も休めない、ゲストにも還元できない。という悪循環になってしまいやすいのではないかと思っている。

これもまた今度の機会にと思っていたけど、フリアコ(フリーアコモデーション)というタダで労働力を使う手法がゲストハウスでは流行っているんだと思う。

 

 

そこで考えられる理想の方法はもともと宿泊所であった場所をリノベーションすることで建築確認及び初期投資の負担を減らし、ある程度バルクの大きいハコでスタートすることだと思っている。

 

実際そんなにポンポンとそういう物件が出てこないのだけれども・・

 

じゃあそのハコの大きさは少なくともどの位の大きさが良いのか・・

 

 

 

~計算~

月50万の純利益を出すには。

20万→家賃

10万→借入返済

10万→リネン

20万→雑費

15万→光熱費

30万→お手伝いスタッフ

 

 

少なくとも月155万円くらい稼げる大きさが必要になることがざっと分かる。

 

つまり100㎡のドミトリーだったかつての施設は平均して月75万円前後の売り上げであったことを考えると、やはり施設の大きさは少なくとも200㎡くらいのモノが理想で、最大収容人数が20~25人。この人数であればきちんとゲスト一人一人と繋がれるし、イベントごともやりやすい。このくらいのサイズ感が僕にはよさそうだ。

 

 

と、計算上では見えてきた。