フリアコの闇
よく耳にする言葉。
フリーアコモデーション
略してフリアコについて今回は考えてみたい。
そもそもフリーアコモデーションとはそのまま、アコモデーション=施設が無料
と言う事である。
要は、無料で宿泊していいから代わりに店番よろしくね、お掃除よろしくね。
と労働力を無料でゲットできるワザなのである。
特にお金のないバックパッカーにとっても長期滞在するにはもってこいのシステムで、半日ほどお手伝いすれば、あとは遊んでも何してもその日の宿代、場所によっては食事代も提供してくれるため、重宝されている。
一方で経営者側からすれば、実際前回も話した通り、単価の低いゲストハウスで、且つ規模が小さければ純利も雀の涙ほど。人を雇う財源もない為、このフリーアコモデーションは実に使い勝手が良いものになる。
ちなみに私自身もフリアコで2か月ほどやっていたこともあったし、実際にフリアコをしたいという方を1ヶ月ほお手伝いしてもらったこともあるので、両方の気持ちは良く分かる。
ただし大きな問題もある。以前北海道の大手ゲストハウスでフリアコと称して泊まっていた外国人とそのスタッフが警察に違法労働を言う形で違法とされていたニュースがあった。
宿泊代が報酬と=になるため、就労ビザがなくてはいけないとの見解だそうだ。
要は、報酬として、対価としてお金ではなく宿泊施設を提供していたとしてもそれは労働とみなされている訳である。
したがって、現実的にこのフリアコ制度を使うのであれば、同国内に住んでいる人しか使えない。もしくは就労ビザのある者しか使えない制度となっている。
話は少しずれるが、
外国人と触れ合えます。英語を話せるチャンスです。タダで宿泊施設に泊まれます。
と実際にこのフリアコ制度をやっているゲストハウスも多く見受けられるが、
僕はゲストハウスを安売り?というか、この安易な考え方でやっているところにはとても腹立っている。
英語が話せる環境だから、他ではできない体験だから低賃金でも宿代無料でも文句ないだろ的なスタンスが嫌いなのだ。
ゲストハウスで働いている人って言うのはすごくいろいろな能力が無いとできないことだと思っている。
英語はもちろんスペイン語、ロシア語、中国語。世界各国のゲストが来る施設である訳なので何か国語も操れる語学の達人である必要があるし、
施設だって何か壊れたら自分で直す大工さんで無くてはいけない。
その他経理から経営までをこなす経営者でもあるため、むしろゲストハウスで働く人ってのは凄く超人的な能力のある人間だと思っている。(言い過ぎ)
冗談はさておき、そのくらいゲストハウスに求められる能力が沢山あるにも関わらず、英語がはなせる環境だよと言って、安く労働力を使うゲストハウスの安直な考えが気に入らない。
だからこそ一泊の単価の低いゲストハウスでもきちんとそれに見合った対価を支払えるようなシステムを作っていかなければならないと思っている。
じゃあそのシステムって何よって言われても完璧な答えはまだ分からない。
けれど、毎日会社として利益を求めるゲストハウスで働いているうちになんとなく感覚的に見えてきた物もある。
お客さんにはできるだけ安く居心地の良い環境を提供したいという思いと、仲間を守れる利益を出すという矛盾した対立的なゲストハウスのギャップを僕は何とかしていきたい。そういう物を作りたい。