guesthouse開業日記

ゲストハウスに魅了された25歳がゲストハウス開業までを記録するブログです。観光学を学び、世界100以上の地域のゲストハウスに泊まり、現在3店舗のゲストハウスを運営するマネージャーが独立に向け準備をします。

100㎡の壁と理想の大きさ。

実際にゲストハウスをやってみると

もちろんだけどゲストでいた時と運営する側ではまるっと違う。

 

ゲストが朝から出発したいと言えばゲストより早く起き、

ゲストの到着が夜12時だと言えばその時間まで起きていないとならない。

夜中に何かトラブルが起きれば対応しなければいけないし、

1年間365日休みだってない。

 

さらに前々回も話をしたように小さなゲストハウスでは利益もとっても少ない。

前のマネージャーも言っていたけど、割りに合わない仕事だと思う。

 

冷静に考えればどこぞの会社よりブラックだと思う・・・笑

 

そうは言ってもこの辺りは工夫やルール作りで何とでもなるのだが、、、

 

 

 

 

やっぱりゲストハウスってほんとに好きじゃないとできないなと思う。

 

 

 

 

だからこそ僕が大事にしたいのは、

ゲストもスタッフも両方が心地いいものを作る事。

 

単純に一泊の値段を下げてクオリティーを上げればゲストは喜ぶし、評価だって簡単に上がる。(この辺りはまた詳しく書こうと思う)

しかし、そうすると利益は落ち、自分たちを苦しめる。それは結局ゲストにも伝わる。

 

一方で目先の利益だけを求めてラックレートの3倍も値段を釣り上げたら、バックパッカーにとっては居心地がよくないだろうし、自分も申し訳ない気持ちで溢れてくる。

もちろんそれは評価にもつながる。

 

 

じゃあどうしたらいいのってお話。

結局はある程度バルクの大きなハコで適正料金を維持しながらゲストハウスをするのが良いんじゃないかと思っている。

 

よく言われることだが、100㎡未満であれば初期投資も少なく、簡単に始められると言われている。

それは建築確認申請を提出し、用途変更をする必要が無いからである。

 

簡単に言うと、今まで民家だったところを

「じゃあ、明日から宿泊施設に変更します!」

と言っても民家は宿泊施設として適していない場合がほとんどであるため、

キチンとこの建物は宿泊施設として認められますよ!という建築の確認が必要になる。

 

※適していない場合と言うのは、階段の幅だったり、防火扉の設置だったり、下水道、浄化装置、部屋の大きさだったりと諸々。

 

そうした時にいきなりここがダメ、アレがダメと宿泊施設の厳しい建築基準のルールに従うと、とんでもなく改築費用が掛かってしまい、かつ申請も1ヶ月以上かかってしまうため、大変なコストと時間がかかってしまう。

 

 

そこで一つの抜け道として考えられた技がこの100㎡未満のルールなのである。

 

100㎡未満であれば用途変更をする必要が無い為、

この建物は宿泊施設として適していますよと言う建築確認がなくても、

ある程度宿泊施設として運営できる設備があれば営業してもいいですよというルールになる。

 

※ただし、採光や適した浄化槽(もしくは下水道)防火カーテン、火災報知などいくつか超えなければならない壁はあるのだが・・・

 

 

そうすることによって比較的簡単に簡易宿所が始められるのである。

 

 

 

 

これは大きなメリットである反面、理解しておかなければならないのが、

圧倒的に100㎡は小さいのである。

 

実際100㎡未満でゲストハウスを運営しているところの多くが精々4部屋5部屋を作るのがやっとで、中には8人ドミと個室一つというものもあり、

実際問題このサイズでゲストハウスを運営しようとすると、宿泊費のみの売り上げで月100万を超えることが難しいのではと思っている。決まったハコの大きさで一日に決まった人数しか泊めることのできない宿泊施設の特性上。(そこでレベニューマネジメントという考え方が重要になる)

中にはこの100㎡の壁とハコの大きさで苦戦し、申請上は100㎡未満で申請し、実際は申請許可外の部屋を貸し出している所も多く聞く。それほど許可を取るのは大変で、小さいハコだと限界値が小さくなってしまうからだろう。グレーギリギリの怪しい事をしないとやっていけないのがリアルな現実ということなんだろうか・・・。

 

 

つまり小さなハコだとどうしても限界値も低く、利益も少ないので、スタッフが雇えない、自分も休めない、ゲストにも還元できない。という悪循環になってしまいやすいのではないかと思っている。

これもまた今度の機会にと思っていたけど、フリアコ(フリーアコモデーション)というタダで労働力を使う手法がゲストハウスでは流行っているんだと思う。

 

 

そこで考えられる理想の方法はもともと宿泊所であった場所をリノベーションすることで建築確認及び初期投資の負担を減らし、ある程度バルクの大きいハコでスタートすることだと思っている。

 

実際そんなにポンポンとそういう物件が出てこないのだけれども・・

 

じゃあそのハコの大きさは少なくともどの位の大きさが良いのか・・

 

 

 

~計算~

月50万の純利益を出すには。

20万→家賃

10万→借入返済

10万→リネン

20万→雑費

15万→光熱費

30万→お手伝いスタッフ

 

 

少なくとも月155万円くらい稼げる大きさが必要になることがざっと分かる。

 

つまり100㎡のドミトリーだったかつての施設は平均して月75万円前後の売り上げであったことを考えると、やはり施設の大きさは少なくとも200㎡くらいのモノが理想で、最大収容人数が20~25人。この人数であればきちんとゲスト一人一人と繋がれるし、イベントごともやりやすい。このくらいのサイズ感が僕にはよさそうだ。

 

 

と、計算上では見えてきた。